
この記事では、長女が0歳の頃にみられた「自閉スペクトラム症(ASD)の特徴」ついてお話ししています。
0歳の頃に見られたASDの特徴

ここまで育児日記を振り返ってみて、0歳の頃のあおいちゃんには自閉スペクトラム症の特徴があったと思いますか?
運動発達がゆっくり、後追いをしない、常同行動がみられる、奇妙な人見知り……というのが、特徴としてあったと思います。
ただし、これらは定型発達(発達障害ではない)の赤ちゃんにもみられる行動ですし、自閉スペクトラム症の赤ちゃんすべてにみられる行動というわけでもありません。
自閉スペクトラム症の診断を受けてから10年経った今、振り返ってみると「あおいの場合は、0歳の頃にそんな特徴があったな」というかんじです。
ゆっくりだった運動発達

あおいちゃんが0歳の頃の運動発達は「ゆっくり」だったとのことですが、どのくらい一般的なペースより遅れていたんでしょうか?
あおいの運動発達は、
- 首すわり(生後5カ月)
- 寝返り(生後7カ月)
- おすわり(生後8カ月)
- はいはい(生後10カ月)
というペースでした。
「寝返り」にあまり遅れはありませんでしたが、「首すわり」と「おすわり」は母子手帳の健診のページに書いてあった時期よりも1カ月くらい遅かったです。
「はいはい」は、時期としてはあまり遅くなかったんですが、はじめたばかりの頃はおしりが上がりきっていないカエルのような姿勢でした。一般的なよつばいの姿勢のハイハイになったのは、1歳を過ぎてからです。
自閉スペクトラム症の赤ちゃんには、あおいちゃんのように「運動発達がゆっくり」という特徴があるんでしょうか?
必ずしもそうではありません。自閉スペクトラム症の赤ちゃんでも、運動発達がむしろ早いお子さんもいますし、一般的なペースのお子さんもいます。
ただ、なかには運動発達の遅れから受診し、自閉スペクトラム症の診断を受けるケースもあるようです。
何歳で歩き始める、といった幼児期早期の運動発達には遅れがない子どもが多い一方で、首すわりが遅い、歩き始めが遅い、ころびやすいといった運動面の心配から神経小児科や小児リハビリテーション科を受診し相談が始まる子どももいます。乳幼児期早期に脳性麻痺として治療を受けてきて、小学生以降に脳性麻痺に加えてアスペルガー症候群があると判明することもあります。
吉田友子. 高機能自閉症・アスペルガー症候群 「その子らしさ」を生かす子育て 改訂版 (Function). Kindle Edition.
※アスペルガー症候群は、自閉スペクトラム症に含まれます。
後追いをしない

あおいちゃんは0歳の頃、後追いをしなかったんですよね
そうですね。全然しませんでした。だから、9〜10カ月健診のために母子手帳の「保護者の記録」を記入したとき、「後追いをしますか」という質問を見て、私は「後追いって何?」と思ったんです。
自閉スペクトラム症の赤ちゃんは、後追いをしないことが多いんでしょうか?
自閉スペクトラム症の赤ちゃんは「後追い」のようなお母さんを求める行動が乏しかったり奇妙だったりすることが多いみたいです。
後追いの奇妙さというのは、たとえば見えていたお母さんが視界から消えるとすごく怒ったり不安がったりするのに、いったん出かけてしまえば「思い出し泣き」もせず普段どおり遊んでいるとか、お母さんが帰ってきたときの反応が別れ際の大泣きのわりにはあっさりしすぎているとか、好きなビデオだったらお母さんに構ってほしがることもなく何十分でも見ているといったことです。
(中略)
また後追いや人見知りが極端に強くて一 ~二歳をすぎてもお父さんにすら自分の世話をさせないということもあります。後追いや人見知りが二 ~三歳を過ぎてから遅れて始まることもあります。
『高機能自閉症・アスペルガー症候群 「その子らしさ」を生かす子育て 改訂版』吉田友子著
また別の記事でお話ししますが、あおいの場合は2歳を過ぎてから「奇妙な後追い」がはじまりました。
「常同行動」が見られる

「常同行動」というのはなんですか?
自閉スペクトラム症の子どもによくみられるそうなんですが、特定の意味のない行動をやり続けることです。
常同行動
特定の行動をやり続けること。手をひらひらと振り続ける、1カ所でクルクルと回り続ける、飛びはねるなどの常同行動は、自閉スペクトラム症の子どもによくみられる。
主婦の友社 赤ちゃん〜学童期 発達障害の子どもの心がわかる本 P187
当時は気がついていなかったんですが、今振り返ってみると、生後9カ月のあおいの「『おうおうおう』と言いながら腕を振る動作」は、常同行動だったんだと思います。
でも、あおいが生後9カ月の頃の私は、「常同行動」はもちろん「自閉スペクトラム症」という言葉も知りませんでした。
だから、私はあおいの「おうおうおう」と言いながら腕を振る動作を、ただ「面白くて可愛い」と思っていましたね。
常同行動は、自閉スペクトラム症の子だけにみられる行動なんですか?
いえ、そうではありません。定型発達で発達障害のない子でも、同じ行動をくり返すことはあります。
だから赤ちゃんに常同行動が見られるからといって、自閉スペクトラム症であるとは限りません。
ただ振り返ってみると、あおいの場合はこの頃の「おうおうおう」のように、「面白くて可愛い」と思える常同行動が1歳以降もみられたんです。
奇妙な人見知り

あおいちゃんは、生後7カ月の頃、久しぶりに会ったお母様に人見知りをしていたとおっしゃっていましたよね?
そうですね。生後7カ月のあおいは、昼寝から目が覚めたときに、普段はいない母がリビングにいたときには大泣きしていました。
その人見知りのどこが「奇妙」なんでしょうか?
家の中にいた普段はいない母に人見知りする……というのは、自然ですし奇妙ではないと思います。
「奇妙」だったのは、あおいが家の外でしていた人見知りなんです
どんなふうに「奇妙」だったんでしょうか
生後7カ月頃のあおいは、外で会う初対面の男性には人見知りをしていました。でも、外で会う優しそうな女性には、知らない人でも愛想を振りまいていたんです。
それが「奇妙」なんですか?
自閉スペクトラム症の赤ちゃんは、「男の人」とか「特定の要素のある人だけ怖がる」という様子がみられることがあって、それが「奇妙な人見知り」として報告されているそうなんです。
人見知りに関しても同じように乏しさや奇妙さが報告されることがあります。おじいちゃんだけ何度会っても大泣きするのに女の人なら初対面でも大丈夫とか、特定の要素(男、髭、メガネなど)のある人だけ極端に怖がるといったことです。
『高機能自閉症・アスペルガー症候群 「その子らしさ」を生かす子育て 改訂版』吉田友子著
でも、赤ちゃんが男性だけに人見知りするって、奇妙なんでしょうか?普段、いつも一緒にいるお母さんが女性だから、女性の方が好き。そう考えると、自然なことのように思えますが……
そうですね。きっと、そんな理由で男性に人見知りする定型発達(発達障害ではない)の赤ちゃんもいるんじゃないかと私も思います。
なので、あくまでもあおいの場合は、自閉スペクトラム症の診断を受けてから10年経った今振り返ってみると、あれは「奇妙な人見知り」だったんだなと感じる———というだけなんです。
あおいと同じように男性に人見知りする赤ちゃんが奇妙だというわけではありません。
まとめ
この記事では、長女が0歳の頃にみられた「自閉スペクトラム症の特徴」についてお話ししました。
次の記事では、長女が0歳の頃の「運動発達がゆっくり」という特徴を、私が全然気にしていなかったのはなぜなのか。その理由についてお話しします。

