【0歳まとめ】「運動発達がゆっくり」に不安を感じなかった理由

運動発達がゆっくり、後追いをしない、常同行動が見られる、奇妙な人見知り———という特徴があった長女が0歳の頃。

そのなかでも、比較的わかりやすく多くの親が不安になりがちな「運動発達がゆっくり」という特徴を、私が全然気にしていなかったのはなぜなのか。

この記事では、その理由についてお話ししています。

長女と同じくらい運動発達がゆっくりな定型発達(発達障害ではない)のお子さんもたくさんいます。この記事は、「運動発達がゆっくりであることを気にしない」ことを否定する意図はありません。

目次

「分岐点」だった「首すわり」

前回の記事では、0歳の頃のあおいちゃんにみられた「自閉スペクトラム症の特徴」についてお聞きしました。

そのことについて、今どんな感想をお持ちですか?

あおいが自閉スペクトラム症の診断を受けてから10年経った今振り返ると、「首すわり」は1つの分岐点だったなと感じましたね。

分岐点というのは、どういった意味でですか?

あおいの首すわりの時期が、想像していたよりも遅かったことを、気にするか気にしないか。

そこが、私が「我が子の発達障害に最初に気が付く母親」になるか、「周囲に指摘されてはじめて気が付く母親」になるか———。その分岐点だったと思うんです。

母親としての分岐点だったということですか?

そうですね。

こちらの記事でも話しましたが、私は「周囲に指摘されてはじめて我が子の発達障害に気が付く母親」でした。

でも、もしも首すわりが遅いことをもっと気にしていたら、私は「我が子の発達障害に最初に気が付く母親」になっていたかもしれないと思うんです。

あおいの首すわりの時期に、私は誰よりも先に「あれ?」と思っていましたから。

そうでしたね

だから、あおいの首すわりが思ったよりも遅くて「あれ?」と思いつつも、すぐに気にしなくなったのはなぜなのか。その後も、あおいの運動発達がゆっくりでもまったく気にならなかったのはなぜなのか。

そのことは、もう少しよく考えてみたいと思いました。

よく考えてみたいというのは?

0歳の頃のあおいの運動発達がゆっくりでも、私が気にしなかったのは、なぜなのか。

その答えが、このブログで考えたいと思っていた「どうして私は、我が子が自閉スペクトラム症だということが、なかなか理解できなかったんだろう?」という疑問の答えの一部になると思うんです。

「運動発達がゆっくり」に不安を感じなかった6つの理由

それでは、あおいちゃんが0歳の頃の「運動発達がゆっくり」という点について、芳井さんが不安を感じなかったのはなぜだと思いますか?

あおいが自閉スペクトラム症の診断を受けてから10年たった今、振り返ってみると、

  • 「発達障害」についての知識がなかった
  • あおいは着実に成長していた
  • 育児について困難を感じていなかった
  • あおいを誰とも比べていなかった
  • 「個人差」と納得していた
  • 「母親としての自身」があった

という6つの理由があったと思います。

「発達障害」についての知識がなかった

あおいが0歳の頃、「運動発達がゆっくり」だったことに私が不安を感じなかった理由の1つ目。それは、当時の私には「発達障害」についての知識がほとんどなかったからです。

「発達障害」についての知識とは、具体的にはどういったものでしょうか?

自閉スペクトラム症を含む発達障害というのは、生まれつきのものだと考えられています。でも、生まれた直後にはわかりません。子どもの発達障害の場合「発達とともに明らかとなる」という特徴があるんです。

生まれたての赤ちゃんに発達障害という診断はつきません。でも、生まれたての赤ちゃんでも、肺炎という診断はつきますよね。ですから「発達とともに明らかとなる」という点は非常に重要なポイントなんです。

黒坂 真由子. 発達障害大全 ― 「脳の個性」について知りたいことすべて (pp. 167-168). (Function). Kindle Edition.

生まれたての赤ちゃんは発達障害があるかどうか、行動からも外見からも分かりません。でも、当時の私はそんな障害があることを知らなかったんです。

生まれたての赤ちゃんは、行動からも外見からも発達障害があるかどうかわからない。そのことを、芳井さんは知らなかったということですか?

はい。当時の私には、生まれつきの障害というは、すべて生まれた直後に判明するもので、見た目でわかるものという思い込みがありました。

「先天性の障害は、すべて生まれた直後に判明するもので、外見からもわかるもの」だと思っていたんですか?

そうなんです。

私はあおいを妊娠中、生まれてくる赤ちゃんに障害がある可能性について、全然考えなかったわけではありませんでした。仕事で強いストレスを感じたとき、「こんなストレスって、お腹の子によくないよな。何か、悪い影響が出たらどうしよう。もし障害を持った子が生まれたら……」って、不安になったこともあったんです。

そうなんですね

でも、私のそんな不安は、出産直後には吹き飛んでいました。「教科書どおりのお産」と言われた出産で生まれてきたあおいは、本当に可愛い赤ちゃんだったからです。

あおいちゃんが生まれた直後に何も問題を指摘されず、出産も「教科書どおりのお産」と言われた。そして、あおいちゃんは外見上なにも問題がない可愛らしい赤ちゃんだったから、すっかり安心したということですか?

そうですね。

芳井さんは、なぜ「先天性の障害は、すべて生まれた直後に判明するもので、見た目でわかるもの」だと考えていたのでしょうか?

多分、当時の私の中では、「赤ちゃんの障害=ダウン症」というイメージが強かったからだと思います。

それはなぜですか?

あおいを出産する何年も前、学生の頃だったと思いますが、テレビで放送されていたダウン症のお子さんを育てる親御さんに密着したドキュメンタリー番組を見たことがあって。それを覚えていたからです。

テレビの影響だったんですね

そうですね。

その番組の中で特に印象に残っていたのは、「出産直後に赤ちゃんがダウン症であると告げられて泣き崩れる」「ダウン症の特徴がある赤ちゃんの顔を可愛いと思えなかった」というお母さんについてのエピソードでした。

そこから、私の中に生まれつきの障害というは、すべて生まれた直後に判明するもので、見た目でわかるものという思い込みが生まれたんだと思います。

だから、「生まれつきの障害があるから運動発達がゆっくりなのかもしれない」なんて発想はまったくありませんでした。

着実に成長していた

あおいが0歳の頃、「運動発達がゆっくり」だったことに私が不安を感じなかった理由の2つ目。それは、あおいが着実に成長していたからです。

首すわりが思っていたよりも遅くても、表情が豊かになったり色んな感情表現をするようになったり。体も順調に大きくなっていたし、、私はあおいの心と体の成長を日々感じていました。

それに運動発達についても、あおいの首がしっかりとすわった生後5ヶ月の頃に私が確信したペースで、着実に進んでいたんです。

芳井さんが確信していたペースというのは、「母子手帳に書いてある時期よりはちょっと遅いけど、病院で先生から何か指摘を受けるほどではない」というものでしたよね

そうです。そのペースで、あおいは着実に成長していました。

だから、そのままあおいちゃんのペースで順調に成長していくと思っていた?

はい。あおいの運動発達は一般的な赤ちゃんに比べるとゆっくりでしたが、私にとっては早いぐらいだとも感じていました。

1カ月健診では、大きくなっていたあおいちゃんに、さみしくなってしまったとおっしゃっていましたよね

あおいが可愛くて仕方がなかった私は、「ゆっくり成長してほしい」と思っていたんです。「あっという間に大きくなってしまったらさみしい」と、本気で思っていました。

育児について困難を感じていなかった

あおいが0歳の頃、「運動発達がゆっくり」だったことに私が不安を感じなかった理由の3つ目。それは、当時の私は育児について困難を感じていなかったからです。

あおいが0歳の頃、私は育児について「こまった」と感じることが、何もなかったんです。だから、あおいの成長に対しても、違和感を覚えたり不安になったりしなかったんだと思います。

産後うつもなかったとおっしゃっていましたよね

そうですね。産後うつもなかったですし、もともと完母を目指していたわけではなかったですが「母乳が出ない」という悩みもなかったですし、「赤ちゃんが寝てくれないから寝不足でつらい」ということもありませんでした。

そして何よりも「赤ちゃんが可愛いと思えない」という悩みがなかった。これが、私が育児について困っていなかった1番大きな理由だったと思います。

芳井さんは出産前、自分が「子どもを産んでもすぐに可愛いとは思えないタイプ」だと思っていたんですよね

そうです。私は自分が「しばらくは自分の赤ちゃんが可愛いと思えないタイプ」だと確信していました。育児に慣れたら可愛いと思えるようになる自信はありましたが、「赤ちゃんが可愛いと思えない」と悩む時期もあるだろう———そう覚悟をしていたんです。

だけど、私はあおいが生まれた直後から可愛くて仕方がないと思えた。そんな私には、本当に育児についての悩みが何もありませんでした。

母子手帳の健診のページには、毎回「子育てについて困難を感じることがありますか」という質問が書かれていたんですが、私はいつも自信を持って「いいえ」と答えていたんです。

誰とも比べていなかった

あおいが0歳の頃、「運動発達がゆっくり」だったことに私が不安を感じなかった理由の4つ目。それは、当時の私はあおいを誰とも比べていなかったからです。

当時、引っ越してきたばかりで周りに誰も知り合いがいなかった私には、ママ友なんていなかったですし、あおいを同じ年頃の子と比べる機会がなかったんです。

だから、「周りの子に比べて成長が遅くて焦る」なんて気持ちになったことは一度もありませんでした。

最近では、実際に会わなくてもSNS上で同じ年頃の子を探して、比べては不安になる……という親御さんも多いと思うのですが、そういったことはしませんでしたか?

そうですね。しませんでした。あおいが0歳の頃(2012〜2013年)は、SNSというよりもブログで子育てについて発信されている方が多かったと思います。でも、当時の私はそういった発信にあまり興味はありませんでした。

それはなぜでしょうか?

うーん……。興味がなかったものはなかったとしか言いようがない気もしますが……。強いて言えば2つの理由があるかなと思います。

1つは、当時の私は、まだあまりネットに依存していなかったから。私は、はじめてスマホを買ったのがあおいを出産する直前(2012年)だったんですが、当時は今ほどネットを使っていなかったんです。わからないことを調べたりはしていましたが、今ほどネットで発信されているコンテンツに触れる習慣がありませんでした。

もう1つは、私が昔から「目の前にいない相手に思いを馳せることが苦手」という理由です。

目の前にいない相手というのは?

例えば……何十年も前の話ですが、私が中学生になった頃、周りに「〇〇先輩かっこいい」と騒いだり、他のクラスの子を好きなったりする女の子が急に増えたんです。

確かに、中学生ってそういう時期ですよね

それが、私にはついていけなかったんです。毎日、同じ教室で一緒に過ごすクラスメイトのことは、好きになったり嫌いになったりしていたんですけど。他の学年とかクラスとか、あとはテレビの中のアイドルとか……。自分から物理的に距離がある相手に、強い興味を持つことが私は苦手でした。今もたぶん同じです。

だから、子育てをはじめても、なかなかネット上の誰かの発信には興味が持てなかったのかもしれません。

「個人差」と納得していた

あおいが0歳の頃、「運動発達がゆっくり」だったことに私が不安を感じなかった理由の5つ目。それは、当時の私は「赤ちゃんの成長には個人差がある」と納得していたからです。

あおいの首すわりが友達から聞いていた「生後3カ月」ではなかったとき。「生後3カ月じゃなかったら、いつになったら首がすわるの?」という思いでネットを検索すると、「赤ちゃんの成長には個人差がある」と書かれた記事がたくさんヒットしました。

そこで私は、「あぁ、赤ちゃんの成長は、個人差があるんだ」とすぐに納得してしまったんです。

「成長に個人差がある」というのは、当然ですし、事実でもありますよね

そうですよね。普通の大人だって、仕事をあっという間に覚えられる人もいれば、時間をかけてゆっくり覚えていく人だっているし。何事にも個人差というものがあります。

それに、「あおいの運動発達がゆっくり」というのは、私自身も夫も運動が得意なタイプではないので、「個人差」というのがすぐに腑に落ちました。

運動神経というのは、生まれつきのもの。子どもの頃から私自身がそんな感覚を持っていて、なおかつあまり気にしていなかったんです。だから「やっぱりあおいも運動神経がよくないんだろうな。だから運動発達もゆっくりなんだろう」とあっさりと納得できていました。

「母親としての自信」があった

あおいが0歳の頃、「運動発達がゆっくり」だったことに私が不安を感じなかった理由の6つ目。それは、当時の私には母親としての自信があったからです。

あおいちゃんの黄昏泣きをきっかけに、「我が子の頃は母親である自分が一番よくわかっている」という自信を持つようになった。そうおっしゃっていましたよね

そうですね。でも、もう少しよく振り返ってみると、私の「母親としての自信」というのは、あおいを出産した直後から芽生えていたんだと思います。

出産直後から「母親としての自信」が芽生えていた……それはなぜですか?

助産師さんから「教科書どおりのお産でしたよ」と言ってもらえたからです。私の出産が順調だったのは、別に私の努力でも才能でもなんでもありません。たまたまなんです。でも、当時の私にとっては、「教科書どおりのお産」という言葉が、なんだか母親としての自分を肯定してもらって、認めてもらえたようで……自信を持つきっかけになったんだと思います。

その後、母乳育児も順調、産後うつもない、我が子が可愛いくて仕方がない———という産後に、私の「母親としての自信」はスクスクと育っていった。そして、生後3カ月の頃の黄昏泣きで「我が子の頃は母親が一番よくわかっている」という自分の中の「母親としての自信」を自覚した。

そんなかんじだったのかなと思います。

そんなふうに「母親としての自信」を持っていたから、あおいちゃんの成長に不安を感じなかったということでしょうか?

はい。自分は、教科書どおりの出産を経て、順調な子育てができている。私があおいのことを一番よくわかっている。そう信じて疑っていなかったから、夫が少々心配していようが、「大丈夫」と思っている自分の方が正しい。だから心配ない。

そんなふうに思っていました。

まとめ

この記事では、長女がが0歳の頃、「運動発達がゆっくり」だったことに私が不安を感じなかった理由についてお話ししました。

次の記事からは、長女が1歳の頃の育児日記を振り返っていきます。

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この記事を書いた人

1982年生まれ。
3歳差の姉妹を育てている主婦です。
ここでは「長女が生まれてから自閉スペクトラム症(ASD)の診断を受けるまで」を育児日記をもとに振り返っています。

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