
「おかあさーん」と口にする長女の姿に、「『ママ』じゃなくて『お母さん』って呼んでるんですね」と児童発達支援センターの職員の方から驚かれた私。なんとなく「私が教えたわけではないんです」とは言えませんでした。
2015年3月21日(3歳0カ月)

今日は親子療育での自由時間に「おかあさーん」と私のもとへ走ってきたさくら。その様子を見ていた職員さんから「『ママ』じゃなくて『お母さん』って呼んでるんですね」と驚かれた。
最近は「お母さん」って呼ぶ子はそんなに珍しいんだろうか?
ていうか、職員さんは私があえて「お母さん」と呼ぶように教えたと思っていたみたい。
ちょっと違うんだけどな……と思ったけど「ジブリアニメで勝手に覚えました」とは言いづらくて、曖昧なリアクションでごまかしてしまった。
振り返り

3歳0カ月の頃のさくらちゃんは、芳井さんのことを「お母さん」と呼ぶようになっていたんですか?
そうですね。さくらはこの頃から、私のことを「お母さん」と呼ぶようになりました。
芳井さんは「自分のことを『ママ』と呼ぶのは恥ずかしくて抵抗があった」とおっしゃっていましたよね
そうですね。だから私はさくらには自分を「お母さん」って呼ばせようと思っていました。

ただ、私自身はずっと自分のことを「お母さん」とは言えていなくて。結局、さくらはジブリアニメから「お母さん」という言葉を覚えて、私をそう呼ぶようになったんです。
さくらちゃんは2歳8カ月の頃「おかあさーん」と唐突に叫んでいたことがありましたよね
はい。となりのトトロの「めーいちゃーん」というおばあさんのセリフを「おかあさん」に変えて叫んでいましたね。私がそれに「はーい」と返事をしていたら、不思議そうな顔をしていました。

2歳8カ月の頃のさくらちゃんは、芳井さんに向かって「おかあさーん」と言っていたわけではなかったんですよね
そうですね。さくらが口にする「おかあさん」は、最初はただのエコラリア(相手が言ったことばをくりかえすこと)だったんです。だからさくらが口にする「おかあさん」に私が「はーい」と返事をするとキョトンとしていました。
でもそんなことを何度かくり返すうちに、さくらにとっての「おかあさん」は私なのだと理解したんだと思います。
つまりさくらちゃんは、「お母さん」という言葉をジブリアニメから覚えたということですか?
そうなんです。
でも私は、児童発達支援センターで職員の方から「『ママ』じゃなくて『お母さん』って呼んでるんですね」と驚かれたときに「アニメから覚えたんです」とは言えませんでした。
どうしてですか?
なんとなく「そんなこと言ったら引かれてしまうだろうな」と思ったんです。
この頃の私は、さくらの言葉の遅れを気にしていたわけではなかったし、アニメのセリフを唐突にくり返すエコラリアも気にしていませんでした。
でも、さくらが母親である私からでなくアニメから「お母さん」という言葉を覚えてしまった……ということには後ろめたい思いもあったんです。
本来は母親が子どもに1番最初に教えてあげるべき『お母さん』という言葉を、私の怠慢でテレビから覚えさせてしまった———。そんな罪悪感が少しあって、親子療育のような場所では特にさくらが「お母さん」という言葉を覚えた経緯は話せなかったですね。


