【2歳まとめ】ASDの特徴①(言葉)

この記事では、長女が2歳の頃にみられた「自閉スペクトラム症(ASD)の特徴」のなかで、言葉にかかわる部分ついてお話ししています。

目次

言葉の特徴

ここまで育児日記を振り返ってみて、2歳の頃のさくらちゃんには自閉スペクトラム症の特徴があったと思いますか?

今思えば、2歳のさくらには1歳の頃よりも、さらに多くの自閉スペクトラム症の特徴がみられていました。

そのなかでも言葉にかかわる部分では、

  • 言葉の遅れ
  • 話し言葉の質的障害

という特徴があったと思います。

言葉の遅れ

2歳の頃のさくらちゃんは、言葉に遅れがあったんでしょうか?

母子手帳では2歳健診のページに書かれている「2語文」をさくらが話すようになったのは、2歳9カ月の頃でした。そのことを考えると、2歳の頃のさくらも言葉に遅れがある状態だったと思います。

でもさくらちゃんは2歳0カ月の頃、公園で会った男の子のお母さんに「上手におしゃべりできてうらやましい」と言われていたことがありましたよね

そうですね。

同じ頃に、ご近所さんから「うちの子も2歳の頃は全然しゃべらなかったよ」という話を聞いたこともありました。

そんなことを振り返ると、2歳の頃のさくらには「言葉の遅れ」があったものの、それは定型発達(発達障害ではない)の子にもよくある程度のものだったんだと思います。

話し言葉の質的障害

話し言葉の「質的障害」というのは、どういったものなんでしょうか?

話し言葉の質的障害というのは、“遅れでは説明のつかないやりとりのできなさや奇妙さ、独特の言い間違いなど”を指します。

今思うと、2歳の頃のさくらには、この「話し言葉の質的障害」に当てはまることが増えていました。

 自閉症スペクトラムでは幼児期には話しことばの遅れがみられることが多いのですが、なかには何歳で話し始めるといったことばの発達には遅れのない子もいます。ただしことばの遅れのなかった子どもでも多くの例でことばの獲得の仕方にかたよりが認められます。話しことばの質的障害とは、遅れでは説明のつかない(言語発達年齢に見合わない)やりとりのできなさや奇妙さ、独特の言い間違いなどを指します。

高機能自閉症・アスペルガー症候群「その子らしさ」を生かす子育て 吉田友子著 中央法規

2歳の頃のさくらちゃんの言葉のなかで「話し言葉の質的障害」にだったと感じるのは、どういった部分ですか?

  • 独り言(独語)
  • ジャーゴン
  • エコラリア
  • 立場によってことばを変えることの困難
  • 音と意味における、さくら特有のセット

という部分です。

独り言(独語)

独り言(ひとりごと)は、言葉の「質的障害」になるんですか?誰でも独り言は言いますよね?

そうですね。発達障害のない子どもはもちろん、大人だって独り言は普通に言いますよね。

でも自閉スペクトラム症の独り言は程度がきわだっていたり、その中身に特徴があるんです。2歳の頃のさくらの場合、後に説明する「ジャーゴン」や「エコラリア」の独り言が多くみられました。

ジャーゴン

「ジャーゴン」というのは、どういったものなんでしょうか?

日本語にはない、そしてどこの国のことばにもない音の連なりを、あたかも意味のある言葉のように話すというものです。

さくらの場合、私が「宇宙語」と読んでいた言葉がそれに当てはまります。

宇宙語というと、さくらちゃんが1歳5カ月の頃から話すようになった「にゃーにゃー」という言葉のことでしたよね

はい。最初に話しはじめたのは1歳の頃でしたが、2歳0カ月の頃から1人遊びとセットになって、さくらは毎日のように1人で宇宙語を話すようになりました。

それが今思うと「ジャーゴンの独り言」だったんです。

でも、まだちゃんとお話しができない赤ちゃんが話す「本人は一丁前に話しているつもりの言葉」は、一般的に「宇宙語」と呼ばれているんじゃないんですか?

そうですね。そんな赤ちゃんの宇宙語もジャーゴンと言えます。だから、すべてのジャーゴンが自閉スペクトラム症の特徴というわけではありません。

たとえばまだ1歳にならないくらいの赤ちゃんが、お母さんやお父さんに向かって表情豊かにジャーゴンを話す……というのは、一般的に赤ちゃんの「宇宙語のおしゃべり」といわれるもので、定型発達の子にもみられるものです。

でもさくらジャーゴンは、

  • はじまったのが1歳5カ月頃だった
  • いつもひとりで喋っていた

という特徴がありました。私に相槌を求めるような様子は一切なくて、さくらは1人遊びをするときにしかジャーゴンをしゃべらなかったんです。

エコラリア

「エコラリア」というのは、どういったものなんでしょうか?

明確な定義はないようなんですが、「相手が言ったことばをくりかえすこと」という意味で使われることが多いようです。

「相手が言ったことばをくりかえす」というのは「オウム返し」のことですか?

「オウム返し」はエコラリアのうちの1つです。自閉スペクトラム症の子どもの言葉の特徴として有名ですね。

2歳の頃のさくらちゃんは、オウム返しをしていたんですか?

2歳の頃のさくらには、オウム返しはみられませんでした。さくらにみられたのは「遅延のエコラリア」なんです。

「遅延のエコラリア」というのは?

「遅延のエコラリア」というのは、オウム返しのように相手から言われたそのときに同じことばをくり返すのではなくて「以前言われたことをくり返す」……というものです。

エコラリアには相手から言われたそのときに同じことばをくりかえす「即時のエコラリア」と、以前言われたことをくりかえす「遅延のエコラリア」があります。

高機能自閉症・アスペルガー症候群「その子らしさ」を生かす子育て 吉田友子著 中央法規
  • アニメのセリフを唐突に叫ぶ
  • 私がおもちゃをとってあげるときに言っていた「これー?」を要求の言葉として使う

というのが、さくらにみられた「遅延のエコラリア」でした。

過去にテレビで見たアニメのセリフや、おもちゃをとってあげるときに私がいっていた「これー?」という言葉。それらをさくらは、すぐにくり返すのではなくて、別の日に口にしていたんです。

「遅延のエコラリア」にもさまざまなものがあります。自己刺激行動(1人遊び)とセットになったパターン的なもの、気持ちの立て直しのためのもの、不安や葛藤をあらわしているものもあります。何かをやめたくなったときに「それではみなさん、さようなら」と幼稚園の帰りの会の先生のセリフを言うなど、より明確な意思伝達として用いられる「遅延のエコラリア」もあります。

高機能自閉症・アスペルガー症候群「その子らしさ」を生かす子育て 吉田友子著 中央法規

立場によってことばを変えることの困難

「立場によってことばを変えることの困難」というのは、具体的にはどういったことなんでしょうか?

2歳の頃のさくらの場合、「ただいま」と「おかえり」をいつも逆のタイミングで言っていました。

2歳の子が「ただいま」と「おかえり」を間違えてしまうことってめずらしいんでしょうか?

そんなことはないと思います。

私が知っている定型発達の子のなかにも、2歳の頃に「ただいま」と「おかえり」が正しく言えなくて、さくらと同じように「おかいま」という言葉を自分で作って話していたとい子もいるんです。

だから「ただいま」「おかえり」が正しく言えるかどうかということだけで、「立場によってことばを変えることの困難」を抱えているとか、自閉スペクトラム症であるといった判断できるわけではありません。

ただ、さくらは「あげる」「もらう」とか「行く」「来る」といった言葉を自分の立場によって使い分けることがずっと苦手で、中学生になった今でも間違えることがあるんです。

今ふり返ってみると、「ただいま」「おかえり」が正しく言えなかった2歳の頃から、さくらには「立場によってことばを変えることの困難」という特徴がみられていたんだと思います。

アスペルガー症候群の子どもではここまではっきりとした言い間違いは早期に消えていく(あるいは最初からめだたない)こともありますが、そういう子どもでも「あげる/もらう」「行く/来る」「こっち/そっち」を適切に使い分けることの苦手さが小学校中学年以降まで続くことはまれではありません。

高機能自閉症・アスペルガー症候群「その子らしさ」を生かす子育て 吉田友子著 中央法規

音と意味における、さくら特有のセット

「音と意味における、さくらちゃん特有のセット」というのは、どういったものなんでしょうか?

さくらの場合、私が「さくら語」と呼んでいた言葉がそれに該当します。

さくらちゃんは1歳7カ月の頃から「さくら語」を話していたんですよね

はい。「ごちそうさま」を「あ!」と言ったり「バイバイ」をななーと言ったり。最初の頃の「さくら語」は、言葉をはっきりと正しく言えない「赤ちゃん言葉」という印象のものでした。

それが次第に発展していって、さくらは2歳6カ月の頃から「さくら語」を使った2語文で意思表示するようになっていったんです。

芳井さんが保育士さんから「2語文」と言う言葉をはじめて聞いた頃ですよね

そうです。そして2歳9カ月の頃には「おむつ替えて」という意味の「おっちゃやーいー」のようなさくらが作った独特な「さくら語」も増えていきました。

その「さくら語」が、自閉スペクトラム症の特徴だったんですか?

自閉スペクトラム症の子どもがいる家庭では、「さくら語」のようにその家庭でしか通用しない特別な単語が使われていることがあるようなんです。

自閉症スペクトラムの子どものいる家庭では、その家庭でしか通用しない特別の単語が使われていることがあります。たとえば、「パマチ」といえばドライブに行きたいという意味だとか、ふつう「入れ物」と言うべきところをいつでも「入れバコ」と言うとか、「電車とバスの博物館」でポッキー(菓子)を買ってもらった子がまた行きたいと「ポッキー行く」と言うといったことです。

高機能自閉症・アスペルガー症候群「その子らしさ」を生かす子育て 吉田友子著 中央法規

また別の記事でお話ししますが、さくらはこの「さくら語」を3歳になってもあいかわらず話していました。

まとめ

今回は、さくらが2歳の頃にみられた自閉スペクトラム症の特徴のうち、言葉にかかわる部分についてお話ししました。

ただし、ここで説明した2歳の頃のさくらの言葉についても、同じ特徴がある=自閉スペクトラム症(ASD)と判断できるものではありません。

あくまでも、さくらが診断を受けて10年経った今振り返ってみると、あれは自閉スペクトラム症の特徴だったと思える———というものです。

この記事の参考文献

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1982年生まれ。
3歳差の姉妹を育てている主婦です。
ここでは「長女が生まれてから自閉スペクトラム症(ASD)の診断を受けるまで」を育児日記をもとに振り返っています。

目次